にごころ

お手柔らかにm( _ _ )m

Déraciné 感想

既プレイの人に向けて、作成した、ただの感想記事。

未プレイの人が、損するように。

 


『Déraciné』 ロンチトレーラー

 

◇プレイ動機

竹箒日記

2018/11/24 更新分より、スマブラ(+switch)との2択で迷っていた。

こっち買ってよかった。ありがとうきのこ先生。

 

◇良記事

「Déraciné」「SEKIRO」と新体制の成果が見え始めたフロム・ソフトウェア。その目指すところや今後について,宮崎英高氏に聞いた - 4Gamer.net

Déraciné - レビュー - 古く、新しく、優しくて、残酷で、美しく、穏やかな、イノセントワールド『Déraciné(デラシネ)』レビュー

 

◇素晴らしき先人達

5ch 有志がまとめた時系列の画像

 https://i.imgur.com/xOpW5pU.jpg

5ch 有志がまとめた作中のテキスト

    Déraciné テキストまとめ

隅から隅まで調査された方のblog

    PSVR『Déraciné(デラシネ)』について考えたらしーね その1

  

◆それでは感想...の前に

先に書いておくが、世界設定は有志が考察しきっている、と感じたため省略。

僕としては、あの世界が終わってしまっていることへの関心は薄い。

気にならない理由としてはこれ↓を読んでください。

理由という名の病 - 伊藤計劃:第弐位相

 

命の在り方は本に記載された内容、ユーリアがED後に語った通り。

彼らがその後どうなったかは知りようがないので、ただ祈るだけ...尊い...無理.........で正直、素直な感想はこれに尽きる。

じゃあ何書くのというと、感動した理由を書いておきます。

なぜか?仕事してる間の脳内BGMが演奏会のScarborough Fairで非常に困っているからだ。

(VRから、尊みが逆流する...!▂▅▇█▓▒░(’ω’)░▒▓█▇▅▂うわあああああああ)

 

--- 以下、ネタバレ---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■無理...辛い...(※感想のことです。)

「アナタ、動いては駄目よ。そのまま見ているの。」

「あの子達の命の時間は、もう、アナタのモノではないのよ。」

 

↑ いやぁ、ここ最高に最悪でしたね!!!

 

早まった。

VR体験としてはRez Infiniteやった後に本作をやり、2作品のみ。

Déracinéを起動した直後には真面目に驚いた。足元や後ろを振り返ってみても、俺は教室に居たからだ。「BGM: はじまり」の暖かさに包まれていく感じがめっちゃ好き。

 

と導入の感動は、VRすげぇ!と思わざるを得なかった部分だったけど。

正直最初は、モーションコントローラーの操作に慣れないし、妖精の力でおつかいしてるなーと思っちゃっていた。子供達も初めて見た時も、そういう絵として、蝋細工の人形のように感じていた。ただでさえ普段彼らは動かないし、彼らが思念として残した言葉も会ったばかりだと、次へのヒントと思うのが先だった。(→ ゲーム脳)

 

僕がこの物語に揺られたのは、子供達の外出からだ。

 

考えずに進めていたので、普通に気がつかなかった人です。2週目をやると、どちらとも取れるような言葉使いにクスッと来るし、ユーリアを想う子供達に校長先生の気持ちがよく分かってしまう…尊い

 

そういえば、校長先生もBGM: 校長室に、前の図書室にある本棚の妖精に関する本のテキスト から勝手に悪い奴なのか、と疑ってしまっていた。すまない。

後、過去に飛んだ直後死んだままなのかっていう爺っぷりで普通に勘違いした。ラッパ渡せば起きるし、メガネがズレてるのもお茶目である。可愛い。良い人。何しでかしたかは知らんけども。

 

深刻さしか感じない、ユーリアの手紙から、子供達を追って地下道に入っていく。

子供達の思念を見ても、ユーリアて病気なのん...?さっき居たけど???とハテナマークしか増えていかない。

 

あ、蝙蝠考えた人。分かっているな...!!(ゴゴゴ

 

メガネが本体、を拾って上がる。雪山には良い思い出がない。(風ノ旅ビトも辛かった)

崖を沿うように登るロージャを見て、マズさを覚えた。待っても皆は帰ってこない、足が治ったロージャは元々活発な女の子だし、そういうものだ。

そうか、今から始まるのは悲劇なんだな…って思ってしまった。

 

足取りを追う。

猫を抱え、うずくまるルーリンツ

ニルスの抜け殻。立ちすくむロージャ。

と、ここまできて家を発見する探索隊の思念が見える。ああ、彼らは家に居るのかとホッとするのも束の間。

 

あってはならないものがいる。

 

綺麗な展開でした。

VRに引きこもった感覚を解き放つ、子供達の「外」からプレイヤーの「外」へ意識させたように強く感じた。彼らの世界と自分達の世界は異なっているということ。

おいおい、傍目から見たら俺全裸の青サイクロプスなのかよ…的な感じ(違う

 

ハーマンが何か策があるようで気が付かない内に消えてしまい、「ドアが開いている」家に入る。そう、何があるのか薄々と分かってしまうのだ。プレイヤーが自分の中で不安をマシマシしてしまう。何か出来ないか?毛布がある。まずは暖を取ろう。

そして、時が止まる。

 

ちなみにマリーが一番好きです。窓を開けて新鮮な空気を味わったり、お昼寝が好き。

可愛いが過ぎる(断言)

枕のテキストも好きです。ふかふかである。

そうだよね、ふかふかしてないわけがない。

 

印象が強すぎて、感想の冒頭にシーンのセリフをそのまま書いてしまった。

ここは辛かった...ただ儚く、だからこそ美しかった...

衣服に残っているであろう、暖かさも感じ取ることができない、ただ見ることしかできない、という無力さ。そこに居た、そうとしか言えないこと。

 

笑いどころではないが、ロージャに金枝を刺したときのモーションは、非常にソウルシリーズなモーションだなぁって思った。「あぁ....」って声が漏れてそうな達し方をしていたように見えた。許せねぇ!!

 

あとここから先、序盤と妖精の振る舞いが大きく変わったと感じた。

序盤は、子供達に「応える」受動的な妖精。

中盤以降では、子供達に「示す」能動的な妖精。

 

ルーリンツの命の時間を使い、悲劇に至らないために、彼らと築き上げた日常を振り返る。これは人の本能だ。ゲームの中に限られたことではない。

彼は1度敗北したけども、1年も妖精を待ち、恐れを振り切って、皆のためを祈って、命を捧げた。僕には行為そのものへの迷いはなかったように感じられた。

強く、優しくあれた。報われて欲しいと思わざるを得ない...。

 

怒涛の伏線回収は有志のblogを見た方が非常にわかりやすい。本当にありがたい。

何が原因だったのか、はじまりから現在までが繋がる様はタイムトラベルものの醍醐味ですね、ほんと。

 

シナリオへの印象は、ここらで一旦置いておいて。

プレイヤーの在り方を更新していくなかで、個人的にビビビッと来たのは、 

このシステムと世界観の調和が、ジョーゼフ・キャンベルが語った「永遠」をより強く思い返させてくれたところだ。 

嘆かわしいと思うものをもし肯定したならば、いまこの瞬間において永遠にほかならないこの世界そのものを肯定することになる

永遠とは今後の時間ではない 。永遠とは長い時間でさえない 。永遠は 、時間とは無関係です 。永遠は時間領域内のあらゆる思考が切り離している 〈いまここ 〉の次元です 。

まさしくいまここで、善と思われるものであれ悪と見なされているものであれ、とにかく万物すべてにおいて永遠を経験すること、それが生命の機能なのです。

ジョーゼフ キャンベル&ビル モイヤーズ. 『神話の力』第二章

STAR WARSのジョージ・ルーカス監督もリスペクトした、比較神話学の巨匠 ジョーゼフ・キャンベル先生の対談本。オススメ!

 

そもそもはVRから得られる<実在感>と<非実在感>──僕としては「あなたはそこにいますか?」的に捉えている──をベースにしたゲームとのことで。

プレイヤーは他のビデオゲーム同様、現実の世界と画面の中の世界は別のもの、と認識する。(ロジェ・カイヨワの『遊びと人間』でいうミミクリが上手い人はそうじゃないかもしれんけど)

VRも世界に入り込んだ、とあくまで「こちら」→ 「あちら」って感じなのだ。

 

ではどうすれば、あちらの世界における過去のないアレクシス(プレイヤー)は、あちらの世界に存在する、と感じられるのか?

というところで、時の止まった世界での選択が重要になる。

悲劇を忌避するために、過去に行く。その行為は悪い妖精と同じく、世界を否定する行為だ。それでは時間の枠に囚われていて、悲しみの経験ばかりに気をやってしまう。

 

彼らの世界の、ここから先に存在し得なかったアレクシス(プレイヤー)が、

ユーリアの、無垢な願いからもたらされた命の時間を手に取り、返還すること。

その結果、ユーリアが病に侵され、短命だったとしても。

それだけが、アレクシス(プレイヤー)に自身をも肯定する手段になりえるのだ。 

 

「私のモノだった、その命の時間はとっても暖かくて。」

「大事にしなきゃって、気づいたんだよ。」

妖精は消えていく。だがユーリアの中で生きていてくれる。

彼女はこの思い出を誰かに語り、その誰かの中で妖精は生きて続けていく。

 

■最後に

といった感じで、なんて美しい物語なんだ...と思っている。

Bloodborneもそうだったけど、人の奥底に潜む神秘を感じ取る器官を物語に組み込んでくれるから、非常に心地良かった。

 

ただ言わせて欲しいんですけど、パッケにサントラついて、DL版にサントラつかないのは...(´ . .̫ . `)

おかげで倍プッシュだよ!パッケのデザイン最高ですね!!オシャンティーかよ、尊さで破裂するわ!!!

 

まぁ読まれることはないだろう...といえど、ヴォネガットの言う通り、表現するのって大事だなぁと感じた次第なので、今後も友人にオタク扱いされそうな早口文章は、ちょいちょい吐き出していこう(。-ω-)zzz. . .